ここでの展覧会は,黒川の近作の中から,国内外の8つの美術館のプロジェクトに焦点をあてて構成されている.四方の壁面に区割りされたグリッド状に,写真・アクソノメトリック図の組み合わされたパネルが整然とレイアウトされ,それぞれの作品の姿を伝えている.会場の中央には黒川の手によるオリジナル・ドローイングやスケッチの写しが散りばめられている.余白には会場を訪れるひとびとが,作家に寄せるメッセージを自由に書き込むことによってひとつの作品として完成する.会場全体は黒川のテーマ色である“利休ねずみ”を基調としてまとめられ,静謐な空気が生み出された.